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Cafe STRATA

I

Interior

Dates:   2018/2-2020/3

Site Okinawa, Japan

Building use:  Hotel

Site Area:   --㎡

Total Area :   200㎡

Photo by Nacasa & Partners

STRATA NAHAは「その土地に積層された歴史や文化を感じ、新たな魅力を積み重ねていく」をコンセプトとした都市型リゾートホテルである。地上15階建、客室数220室で、各階ごとに様々な調度品やアートに彩られ、沖縄に積層された魅力に触れることができる。

CAFE STRATAはホテルのレセプションホールに併設したカフェレストランである。ホテル宿泊客以外の人々も利用することができるため、フロア全体が積極的に街に開かれた配置計画となっている。

敷地は那覇市中心部、観光で栄える国際通りのほど近くに位置し、都会と呼ぶに相応しい立地環境の中、敷地北側にはポツンと取り残されたように石灰岩の岩山が存在する。

戦前この辺りには海が広がっており、波上宮と首里城を結ぶ'長虹堤'(※1)の橋渡しとしての役割を担った浮島の岩礁が現在の岩山である。

現在岩山は一部が'ナナチバーカー'(※2)として受け継がれられているため、都会に存在するとは思えない自然が残されており、CAFE STRATAに向かって大きな琉球石灰岩の岩壁がそびえ立ち、沖縄独特の植物が根を張り巡らせている。

※1: 琉球王国によって1451年に築造された全長約1kmの石造アーチ橋の浮道のこと

※2:沖縄式の墓地の名称。沖縄ではお墓は親しみをもって捉えられ、年中行事としてお墓に親族が集い、墓前で宴会を行うこともある

CAFESTRATAには、内部客席と外部テラス席をまたぐ大きな庇を計画した。これにより岩山の自然環境を取り込み一体となった空間を形成している。

それはまるで砂浜にパラソルを広げて自分だけの居場所を確保するように、客席全体を覆う大きな庇は圧倒的な力強さをもつ自然環境の中に心地よい場所を提供する。

また仕上げには木、石、土の自然素材が使われており、沖縄のアーティストとコラボレーションし伝統工芸を用いたアートやクッションがあしらわれている。

庇に使用した木材は、生態系の特異な景観から世界自然遺産に登録されている屋久島産の、杉の間伐材である。

屋久島杉は沖縄と同様の高温多湿の気候環境で生育している。油分が多く含まれ、それに伴って耐久性・耐候性に優れているため、沖縄という厳しい外部空間での使用を可能にする。

また芯材、辺材よって赤から白の色味へ大きく変化し、激しい節の表情があることも特徴である。

このバラつきを活かして、沖縄の伝統工芸のひとつ、首里織のパターンを表現した。客席から天井を見上げると、'首里道屯織'(※3)の紋様が浮かび上がる。

※3:かつては琉球王国の貴族だけが着用を許された織物の名称のひとつ。部分的に糸の密度を濃くして織られ、美しい風合いがある

 

建築の構造上5mピッチで並ぶ900mmx1200mmの大きな列柱の仕上げには'琉球港川石'を使用した。この石は琉球石灰岩の中でも比較的新しい層の石灰岩であり、多孔質であたたかい色合いをもつ。岩山と同じ素材を用いることで、巨大な列柱はただの柱として存在するのではなく、岩壁と一体となった洞窟のような安心感を与える‘囲い‘となった。
床は内外ともに、古くから日本の伝統的家屋に用いられてきた土を突き固める三和土仕上げ(earthen floor)とした。

空間を構成する床、柱、天井と岩壁によって囲まれたこの場所は、自然素材に包み込まれ、自然に佇む静寂と、人々が集う賑わいの両方を併せ持っている。
沖縄の方言で「一休み」を意味する「ナカユクイ」を体現した、沖縄らしいゆっくりとした時間の流れを体感することができる空間となった。